配送会社が荷受けを停止している地域からの受注には在庫が引き当たらないようにする

自然災害などが原因で配送会社が荷受けを停止している地域への配送が必要な注文には在庫が引き当たらないようにしたいというケースがあります。

荷受けの停止が解除されて配送できるようになったときに倉庫に保管されている在庫をすぐに出荷できる注文に対して在庫を引き当てるための運用アイデアをご紹介します。

注文順に引き当てされなくなります

荷受けを停止している地域への配送が必要な注文には在庫が引き当たらず、そのあとに注文された配送可能な地域の注文に在庫が引き当たります。

具体的な利用シーン

やりたいこと

賞味期限のある商品を在庫を切らさずに仕入れてカート・モールの運用しているため、先に受注したけれど配送会社が荷受けを停止している地域の受注には在庫を引き当てず、受注伝票を確認待ちに止め、あとから受注した配送可能な地域の受注に先に在庫を引き当てて先に出荷します。

荷受けの停止が解除されて配送できるようになったときに改めて倉庫に保管されている在庫を引き当て、出荷します。

具体例

賞味期限が「2024年11月7日」の商品が残り1個、賞味期限が「2024年11月10日」の商品が残り100個あります。

「2024年8月22日  00:00:00」に配送を停止している地域からの受注が1件入りましたが、そのあと「2024年8月22日  00:10:00」に、配送可能な地域の受注が入りました。

「2024年8月22日  00:10:00」の受注を先に出荷することになるため、賞味期限が「2024年11月7日」の在庫を引き当てます。

3日後に荷受けが再開されたため、「2024年8月22日  00:10:00」の受注に賞味期限が「2024年11月10日」の在庫を引き当てて、発送します。

ロジごま

賞味期限は、在庫を登録する際にオペレーター側で「出荷期限日」の欄に賞味期限の日付を入力することで管理できます。

利用する機能

設定内容

配送会社が荷受けを停止している地域を含む住所の受注に対して在庫を引き当てないためのタグdo_not_allocate_stockをつけた上で、確認待ちに止めます。

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受注伝票のタグには、システムによる自動処理を制御するためのdo_not_allocate_stockなどのタグがあります。

受注伝票のマクロ

1つ目

荷受けが停止されている地域への受注に対してタグをつけます。

お届け先住所を条件に使用すると住所の間に空白が含まれた場合にマクロは動作しません

例えばマクロの条件に[お届け先 住所]が条件「東京都品川区」[を含む]と設定した場合、受注のお届け先住所が「東京都 品川区」や「東京都 品川区」など住所の文字列の間に空白が含まれていると、条件に一致しないと判断され、マクロが動作しません。

郵便番号の利用を推奨します。

  • 条件
    • [いずれかの条件を満たす]とき
    • [お届け先 郵便番号(ハイフンなし)]が条件「8914200」[を含む]
    • [お届け先 郵便番号(ハイフンなし)]が条件「9650000」[を含む]
    • [お届け先 郵便番号(ハイフンなし)]が条件「9696272」[を含む]
    • [お届け先 郵便番号(ハイフンなし)]が条件「9660000」[を含む]
    • [お届け先 郵便番号(ハイフンなし)]が条件「9660108」[を含む]
  • 自動処理
    • [タグを追加する] タグ名「荷受け停止地域」

2つ目

荷受けが停止されている地域への受注に対して在庫が引き当たらないようにします。

  • 条件
    • [タグ]が条件「荷受け停止地域」[を含む]
  • 自動処理
    • [タグを追加する] タグ名「do_not_allocate_stock

3つ目

荷受けが停止されている地域への受注を確認待ちに止めます。

  • 条件
    • [タグ]が条件「荷受け停止地域」[を含む]
  • 自動処理
    • [確認待ちに変更する] メッセージ「お届け先の住所は配送会社が荷受けを停止しています。」

日々の運用

配送会社の荷受け状況を確認し、1つ目のマクロの[お届け先 郵便番号(ハイフンなし)]の条件を更新します。

確認待ちに止まった受注伝票を確認し、購入者に連絡します。

do_not_allocate_stockのタグがついていた受注伝票の地域への荷受けが再開されたことを確認したら、do_not_allocate_stockのタグを削除し、確認待ち事項を対応済みにします。do_not_allocate_stockのタグを削除することで、順次在庫が引き当てされます。

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do_not_allocate_stockのタグの動作の詳細は「在庫を引き当てたくない受注伝票があるのですが、制御できますか?」を参照してください。

実際の動作例と解説

設定内容のとおりに受注伝票のマクロを設定した場合に、さまざまな受注伝票の例に対してどのように動作するか、また、その理由を説明します。

受注伝票の例1

  • お届け先 郵便番号「8914200」

お届け先 郵便番号が「8914200」もしくは「9650000」もしくは「9696272」もしくは「9660000」もしくは「9660108」のいずれかと一致するので、マクロが動作し、do_not_allocate_stockのタグが追加されることで在庫が引き当てされなくなり、確認待ちに止まります。

受注伝票の例2

  • お届け先 郵便番号「1234567」

お届け先 郵便番号が「8914200」もしくは「9650000」もしくは「9696272」もしくは「9660000」もしくは「9660108」のいずれかと一致しないので、マクロは動作しません。