アウトレットセールなど特定のタイミングでのみ販売したい、訳あり商品があるというケースがあります。
訳あり商品にロット番号を登録し、引当不可ロケーションに移動させ、通常販売商品と分けて管理することで、必要なタイミングのみで出荷するための運用アイデアをご紹介します。
引当不可ロケーションに保管された在庫は「保留」在庫となり、通常の引当処理では使用されません。
出荷期限日が経過した「保留」在庫と、訳あり商品を分けて管理したい場合は、別のロット番号での管理や別のロケーションでの管理について、倉庫と相談してください。
具体的な利用シーン
やりたいこと
訳あり商品を販売し出荷するため、LOGILESSでは1種類の商品を通常販売商品と訳あり商品を分けて管理します。訳あり商品に対してロット番号を登録し、引当不可ロケーションに移動します。訳あり商品を引き当てたい受注に対してロット番号を指定し、出荷します。
具体例
商品Aの商品コードは「A-1」
通常販売商品は引当可能ロケーションで管理します。
訳あり商品は引当不可ロケーションで管理し、識別用のロット番号「W-1」を付与します。
- 商品Aの通常販売商品を販売する場合
- 商品コード「A-1」のフリー在庫を引き当てし、出荷します。
- 商品Aの訳あり商品を販売する場合
- 商品コード「A-1」でロット番号「W-1」を指定し、出荷します。
運用の流れ
- オペレーター側で、引当不可ロケーションを作成する
- オペレーター側で、訳あり商品を引当不可ロケーションに入荷・入庫もしくは、変換を行い、識別用のロット番号を付与する
- マーチャント側で、訳あり商品の受注に対して、引き当てるロット番号を指定する
- オペレーター側で、訳あり商品を引当可能ロケーションへ棚移動する
利用する機能
設定内容
オペレーター側で以下の設定を行います。
引当不可ロケーションを作成する
ロケーションを新規登録するときに、「引当不可」を有効化します。
訳あり商品専用のロケーションであることが分かりやすいロケーション名を設定すると、倉庫内での識別がしやすくなります。
変更する場合は、ロケーション内の在庫をすべて移動または出庫してから設定を変更してください。ロケーション内に在庫がある状態では、設定を変更できません。
訳あり商品にロット番号を設定する
訳あり商品と通常販売商品を区別するために、識別用のロット番号を設定します。
この運用例では、ロット番号「W-1」を使用して訳あり商品を識別します。

出荷期限日とロット番号の両方を設定すると、より確実に在庫を識別できます。
操作方法
例として、商品コード「A-1」、訳あり商品専用のロット番号「W-1」を用いて説明します。
訳あり商品を引当不可ロケーションに入荷・入庫する
オペレーター側で入荷・入庫、もしくは、変換を行います。
ロケーションは「引当不可ロケーション」を指定します。
この在庫は「保留在庫」として管理され、フリー在庫に含まれないため通常の引当には使用されません。
通常販売商品の在庫数や在庫連携に影響はありません。

入荷・入庫処理で対応する場合は、マーチャント側で入荷予定を作成し、入荷・入庫時に登録する識別用のロット番号を指定できます。
訳あり商品の受注にロット番号を指定する
マーチャント側で、 訳あり商品を出荷したい受注に対して、ロット番号を指定することで、該当するロット番号に一致する在庫を引き当てます。
訳あり商品を出荷したい受注伝票の詳細を表示させます。
受注伝票明細行で該当商品「A-1」の「操作」から、「物理在庫の引当を指定」を押します。

ロット番号「W-1」を指定し、「実行」を押します。
引当可能ロケーションへ棚移動する
オペレーター側で、棚移動の操作を行います。
- 引当不可ロケーションから該当の商品コード「A-1」、ロット番号「W-1」を指定し、引当可能ロケーションへ棚移動の処理を行います。
- 棚移動を行った商品が「保留」から「保管中」となり、マーチャントが指定した受注伝票に引き当たります。
実際の動作例と解説
通常販売商品「A-1」は、引当可能ロケーションに100個
訳あり商品「A-1」ロット番号「W-1」は、引当不可ロケーションに50個
それぞれ保管されている場合
通常販売商品の受注が入ったとき
- 商品コード「A-1」の注文が5個入る
- LOGILESSに受注として取り込まれる
- 通常販売商品の受注の商品コード「A-1」にロット番号の指定は行わない
- 引当可能ロケーションの通常商品100個から自動引当され、フリー在庫数が95個になる
- 引当不可ロケーションの訳あり商品50個は引当されず、50個のままになる
訳あり商品の受注が入ったとき
- 訳あり商品の受注で商品コード「A-1」の注文が10個入る
- LOGILESSに受注として取り込まれる
- マーチャント側で訳あり商品の受注の商品コード「A-1」に、ロット番号「W-1」の指定を行う
- オペレーター側で引当不可ロケーションから引当可能ロケーションへ、商品コード「A-1」ロット番号「W-1」を10個棚移動を行う
- 訳あり商品の受注に商品コード「A-1」ロット番号「W-1」が引き当てられる
- 引当不可ロケーションの訳あり商品: 50個 → 40個(保留在庫)
- 引当可能ロケーションの通常商品: 100個のまま(変動なし)
